活動報告

目黒区基本構想 討論 令和3年第1回定例会

目黒区基本構想 討論

令和3年第1回定例会

フォーラム目黒を代表して討論を行います。

日本の地方自治体の多くは、まちづくりの基本的な理念や目標、方針などを定める基本構想と基本計画、実施計画などを策定し、これにもとづいて行政運営を行っています。

このうち、最上位の計画である基本構想は、地方自治法により市区町村に策定が義務付けられていましたが、2011年(平成23年)の改正地方自治法施行に伴い、基本構想の策定は義務ではなくなりました。これは、地域における行政の自主性・自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指した地方分権改革の一環で実施されたものです。基本構想策定義務付け廃止から約10年が経過しており、各地方自治体は、基本構想や基本計画の改定を契機に基本構想も含めた計画全体の位置づけや構成・内容の再検討を行っている状況です。

目黒区にとっては、前回の基本構想策定から18年が経ち自主的に基本構想を策定するのは、今回が初めてとなります。昨年のコロナウイルス感染症の影響もあり、時代が大きく変化した中での策定となり、行政と議会、区民が対話や協議を続けて生み出した本案は、極めて重たいものだと受け止め、目黒区が広く区民と共有してまちづくりを推進することに必要であると考え賛成の理由といたします。

以下は意見です。

世の中の変化がコロナの影響もあり、加速している時代だからこそ、目黒区にとって真に大切な理念を、今のタイミングで確認し、記して刻むことには大きな意味がある。と考えます。

今回の基本構想は実現を目指す時期として20年後の2040年としています。

10年以上の期間を設けている自治体が多いとはいえ20年後というのは長い期間
の設定であります。これからデジタル化の促進、人口の変化などを考えると第2章に記してあるように柔軟に見直しをするべきだと言えます。

まちの将来像では
「さくら咲き 心地よいまち ずっと めぐろ」と表現し、ひらがな表記の「さくら」は
樹木の桜に限らず、区民の笑顔が咲き誇る情景をイメージしています。

コロナ禍で以前の笑顔に出会う機会が減ってきている現在には、目標として良い表現かもしれません。反対に誰もが笑顔で「暮らしやすいまち」は目標にするまでもなくごく当たり前に区民全員が享受できるものだと考えます。

願わくは、20年後ではなくなるべく早く目標に到達し、誰もが笑顔でいつでも、いつまでもずっと心地よいまちを築いてほしい。と思います。

5つの基本目標では、基本目標2 の「人が集い活力あふれるまち」に芸術文化に関しての記述があります。会派からもパブリックコメントに意見を出しましたが、歴史や文化資源を後世に引き継ぐのはもちろんのこと、パーシモンホール、目黒美術館、八雲図書館、などを代表として、目黒区には都内でも評価が高い芸術文化に触れることが出来る施設が多数あります。

近年では、中目黒に東京音楽大学中目黒・代官山キャンパスが2019年に開校し、地域と芸術の交流がますます活発になっています。

これから、目黒区民センターの見直しも進んでいます。過去・現在と目黒区で育まれた秀逸な芸術文化を20年後の未来に向けて大切に繋いでいただきたいと思います。

また、基本目標5では目黒区民の関心が高い、安全で安心して暮らせるまちを挙げています。

地震、台風などの自然災害に加え、あらたな感染症発生についても対策をして区民を守る環境をつくるとあります。

災害に対しては現実的な被害想定をする発想力、実働可能な行動力が肝要です。
基本構想をもとに基本計画、実施計画で自助・共助・公助がより円滑に連携できるように期待します。

特別委員会の審査で概ね共通の認識であったのは、これが成立して終わりではなく、ここからが重要であるということでした。

今後、区民や区職員に基本構想の重要性を理解していただき、目指す「まちの将来像」を浸透させ、まちづくりの根底として据えていくという重大な課題が残っています。

具現化するためには、周知の方法を工夫する事も重要で、双方向の関わりができる仕組みなども取り入れていただきたいと願います。

たとえば、2018年(平成30年)4月に、福岡県水巻町(みずまきまち)が、基本構想を含む総合計画を改定しました。絵本を使ったユニークな仕上がりも注目をあつめましたが、それ以上に特徴的なのは、その絵本が町民に問いかけ、町民が自分で書き込むことによって計画が完成するという仕掛けが施してある点でした。正しく区民一人一人がまちづくりに参加し、同じ目標を共有するという一体感を感じる取ることが出来ます。

目黒区の基本構想も、これから区民や職員が自分ごととして受け止め、28万と2000通りの基本構想を描いてもらう必要があるのではないかと考えます。

そのためには、先ず、私達議会が積極的に責任と役割を果たしていく覚悟が必要であり、ここに表明
して、議案第1号 目黒区基本構想の策定について 賛成いたします。

 

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